「セクハラ」と「誘惑」の間で”me too”揺れる

インド映画界の性暴力実態を告発した俳優スワラ・バスカー氏

昨年、世界を襲った性的暴力被害告発運動「ミートゥーキャンペーン」(Metoo・私もやられた)は、アメリカのハリウッドで女優たちが大物制作者であるワインスタイン氏の性犯罪を暴露して、触発された。このキャンペーンが世界に拡散されたが、世界最大映画制作地のインドの「ボリウッド」は、一部の女優たちの告発にもかかわらず、加害者に対して沈黙を守っているとヒンドゥスタン・タイムズが批判した。

インドの有名女優の一人であるスワラ・バスカー(30)は昨年12月、デビュー当初一緒に映画を撮っていた監督の執拗なセクハラに悩まされた事実を告白した。バスカーに続き、カルキ・ケクラン、ティスカ・チョープラーなど、他の女優たちも役をもらう見返りに、俳優に性的関係を要求する「キャスティング・カウチ」の実態を告発した。

しかし、ボリウッドでは「ミートゥーキャンペーン」が大きな反響を起こしていない。ハリウッドで最近、女性300人余りが映画業界はもとより、アメリカ全域の性的暴力と性差別問題の解消に向けて「タイムアップ」という団体を結成し、具体的な行動に出たものと比較される。

これに対しヒンドゥスタン・タイムズは、ボリウッドはハリウッドよりはるかに男性中心的であり、性犯罪に沈黙する雰囲気が蔓延していると批判した。バスカーは、「私が性犯罪に対処することができる最善の方法はただキャスティング・カウチを拒絶することだけだった。もちろんこれはフェミニストの勇気ある選択ではなかった」と告白した。

バスカーをはじめ、多くのインド女優たちは、性犯罪を告発して俳優としてのキャリアが台無しになるかもしれないという恐れのために勇気を出すことを躊躇っている。「キャスティング・カウチ」を拒絶することだけでも役を奪われるからだ。カルキ・ケクランもBBC放送とのインタビューで、「ボリウッドで女優たちが性犯罪問題に立ち上がることは、キャリアをかけなければならないことだ」と打ち明けた。

一方、フランスでは「ミートゥーキャンペーン」に対して、性的自由を抑圧するなど、過度に道徳的に進んでいるという女性たちの批判が提起され、論議を巻き起こした。

俳優のカトリーヌ・ドヌーブをはじめとする文化芸術界有名女性100人は、日刊紙ル・モンドに「性の自由に不可欠な誘惑する自由を弁護する」というタイトルの書き込みを投稿した。彼女たちは「性的暴力は紛れもない犯罪だが、誘惑や女性の心を掴もうとする行動は犯罪ではない。最近、男性たちに憎しみを表出する一部のフェミニストたちを排撃する」と明らかにした。

特に寄稿者らは「ミートゥーキャンペーン」について、当該男性に弁護する機会も与えないまま、彼らを性犯罪者と同じ台に上げて無差別に攻撃していると批判した。さらに、「このような状況が性的自由を抑圧する宗教的な極端主義勢力、道徳的反動主義者たちの利益を強化する。私たちは性的暴行と適切でない誘惑を区分できるほど賢明だ。性的自由に不可欠な誘惑の自由を擁護したい」と強調した。

フランスは女権運動が活発な国なので、彼女たちの寄稿文は多くの論争を呼んだ。ワインスタイン氏の性的暴行を暴露したイタリア人女優のアーシア・アルジュントはツイッターで、「嘆かわしい寄稿文」とし、「内在化された女性嫌悪がこのような文章を書かせた」と非難した。しかし、一部では道徳主義に対する寄稿者たちの懸念や「性の自由」に対する支持に共感する声も少なくない。 チャン・ジヨン記者

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