

「楼」は景色を眺望できるように屋根裏構造で高く建てた建物で、「亭」は景観が秀麗で眺めがいい場所に建てられた家を指す。朝鮮時代の楼と亭は、上流社会の雰囲気をベースに高度の集約と節制美が込められた建築物と評価される。
一緒に指定される施設は奉化の「寒水亭」、青松の「讃慶楼」、安東の「清遠楼」、安東の「棣華亭」、慶州の「帰来亭」、達城の「霞鶩亭」、霊岩の「永保亭」、鎮安の「睡仙楼」である。
江陵の鏡浦臺は、松江チョン・チョルの「関東別曲」など朝鮮時代に数多くの作品が誕生した場所だ。500年以上に渡って風雪をしのぎ、眺望のために床が3段になっている。特に眺望台を2段にしたのは他に例がないほど独特な構造である。
金泉の芳草亭は四方が開放された構造ではなく、季節によって渡り廊下と部屋を繋げたり、分離するようにした「亭」で、奉化の寒水亭は1608年に冲齋クォン・ボルから3代にわたって完成したT字型の建築物だ。青松の讃慶楼は客舎もある現存する唯一の官営楼閣だ。
安東の清遠楼は慶尚道地域では珍しい「コ」字型の「亭」型の郊外に建てた別宅で、安東の棣華亭は池と三つの人工島を配置した造園史的な価値の高い場所だ。慶州の帰来亭は希少価値の高い六角形の平面型の亭だ。
達成の霞鶩亭は、仁祖大王が王子時代に訪問した縁で王位に就いた後、国費200両で婦縁(軒下に付ける短い垂木)をつけさせて名称を下賜した亭だ。霊岩の永保亭は正面5間と側面3間の広さで、比例美と造形美がずば抜けている。
鎮安の睡仙楼は自然の岩を活かした珍しい構造で、自然と建物の調和を図った例として知られる。 ソン・ヨンオク美術文化財専門記者